PCを選ぶときに迷ってしまうのが「スペック」。
クリエイティブ作業でPCスペックが足りないと、「作業ができない」「ソフトが動かない」といった原因になります。
今回は、クリエイティブ作業の用途別に必要なPCスペックを紹介。
ぜひ参考にして、クリエイター生活を満喫してください。
クリエイティブ作業に関わるパーツ
PC選びで大切なのはスペック。つまり性能です。
料理の味が食材や調味料で変わるように、パソコンはパーツによって性能が左右されます。
クリエイティブ作業で重要なパーツは4種類です。
- CPU
- グラフィックボード(GPU)
- メモリ
- ストレージ
それぞれ性能が高くなるほどできることが増えます。
CPU
データの処理をするパーツ。
性能が高いほどできることが増えます。
IntelとAMDの2大メーカーの「Core iシリーズ」と「Ryzenシリーズ」という製品がほとんどです。
CPUの簡易性能表は下記の通り。基本的には上にいくほど性能が高くなります。
Intel | AMD | 主な用途 |
Core i9 | Ryzen 9 | 文書作成、ネット閲覧、動画視聴、ゲーム、 動画編集、動画配信、コンテンツ制作 |
Core i7 | Ryzen 7 | 文書作成、ネット閲覧、動画視聴、ゲーム、動画編集、動画配信 |
Core i5 | Ryzen 5 | 文書作成、ネット閲覧、動画視聴、ゲーム |
Core i3 | Ryzen 3 | 文書作成、ネット閲覧、動画視聴 |
グラフィックボード(GPU)
映像表現に必要。3Dグラフィックやゲーム性能などに大きく関わるパーツです。
性能が低いと映像がカクついてしまいます。
主な製品はNVIDIAの「GeForce」やAMDの「Radeon」です。
下記は高性能なPCによく搭載されているGPUの簡易性能表になります。
メモリ
データの読み書きが役割。
性能が高いほどデータ処理が早いです。
16GB、32GB、64GB、といったメモリ容量があります。
大きいほど複数のことができたり、大きな処理ができたりします。
多くのクリエイティブ作業に重要です。
ストレージ
データの保存をします。
512GB、1TB、2TBといったストレージ容量があります。
大きいほどたくさんの画像・動画やゲームなどの保存が可能です。
高速で耐久性の高い「SSD」と、安価の「HDD」の2種類があります。
用途別の必要スペック
クリエイティブ作業では用途によって、必要なPCスペックが異なります。
スペック不足は、「作業ができない」「ソフトが動かない」といった原因になるため要注意です。
自分にはどのくらいのスペックが必要か、よく確認しておきましょう。
イラスト・マンガ制作
CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
intel Core i5 AMD Ryzen 5 |
内蔵グラフィックス | 16GB | SSD 256GB |
イラストやマンガ制作では、CPUやメモリが重要になります。
特にカラーが鮮やかなイラストであれば、「Core i7」や「Ryzen 7」などを選ぶと快適です。
またメモリが不足してしまうと、ソフトの処理速度が落ちてしまいます。
メモリは16GB以上にしておくと快適です。
ストレージは高速であるSSDがおすすめ。256GBは欲しいところ。
グラフィックボード(GPU)はあるとスムーズな作業で効率がアップします。
3Dモデルを扱う場合は必須です。
WEBデザイン
CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
intel Core i5 AMD Ryzen 5 |
内蔵グラフィックス | 16GB | SSD 256GB |
WEBデザインでは、CPUやメモリが重要になります。
特にCPUは作業スピードに関わり、「Core i7」や「Ryzen 7」などを選ぶとより快適です。
またメモリが不足してしまうと、ソフトの処理速度が落ちてしまいます。
メモリは16GB以上にしておくと安心です。
ストレージは高速であるSSDがおすすめ。256GB以上にしておくのが良いでしょう。
グラフィックボード(GPU)は、高画質の画像や動画の編集をするには必要になります。
RAW現像・写真編集
CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
intel Core i5 AMD Ryzen 5 |
内蔵グラフィックス | 16GB | SSD 256GB |
RAW現像や写真編集では、CPUやメモリが重要になります。
読み込みや処理を高速化したいのであれば、「Core i7」や「Ryzen 7」などを選ぶと良いでしょう。
またメモリが不足してしまうと、ソフトの処理速度が落ちてしまいます。
複数の処理や4Kのような高解像度のデータを扱う場合は、メモリは32GBがおすすめです。
ストレージは高速であるSSDがおすすめ。容量は多いほど便利です。
グラフィックボード(GPU)はよほど高度な作業でなければ、内蔵グラフィックスでも十分。
高解像度のデータを扱う場合は、「NVIDIA GeForce」や「AMD Radeon」といった外部GPUが必要となります。
動画編集
解像度 | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
フルHD | intel Core i5 AMD Ryzen 5 |
内蔵グラフィックス | 16GB | SSD 256GB |
4K | intel Core i7 AMD Ryzen 7 |
NVIDIA GeForce AMD Radeon |
32GB | SSD 512GB |
動画編集では、CPUやメモリが非常に重要。
特にCPU性能が足りないと、処理にかかる時間がかかりまともに作業ができない恐れがあります。
複雑な編集になるほど、より上位のモデルが望ましいです。
またメモリが不足してしまうと、処理速度が落ちてしまいます。
4K動画編集では、32GB以上にしておくと安心です。
グラフィックボード(GPU)はソフトによっては必須となります。
「NVIDIA GeForce」や「AMD Radeon」といった外部GPUを搭載したモデルが無難です。
ストレージは高速であるSSDがおすすめ。大きめの容量にしておくと不便なく使えます。
3DCG制作
CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
intel Core i7 AMD Ryzen 7 |
NVIDIA GeForce RTX 4060 AMD Radeon RX 7600 |
16GB | SSD 512GB |
3DCG制作では、CPUの他にグラフィックボード(GPU)やメモリが重要になります。
特に映像編集やVFX、レンダリングなどではより高性能なグラフィックボードが必要です。
軽い作業であれば「Core i5」や「Ryzen 5」でも十分。
ある程度の作業までは、「Core i7」や「Ryzen 7」が必要になります。
重い作業になると、「Core i9」「Ryzen 9」のような上位のCPUが必要です。
またメモリが不足してしまうと、ソフトの処理速度が落ちてしまいます。
メモリは16GB~32GBにしておくと快適です。
重い作業では64GB以上がおすすめ。
ストレージは高速であるSSDがおすすめ。容量は多いほど便利です。
AI画像生成
CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
intel Core i5 AMD Ryzen 5 |
NVIDIA GeForce VRAM 12GB以上 |
16GB | SSD 256GB |
AI画像生成では、GPUのVRAM(ビデオメモリ)やメモリは重要です。
VRAMやメモリが足りないと画像の生成ができません。
また、CPUやGPU性能が低いと処理速度が落ちます。
ストレージは高速であるSSDがおすすめ。
画像以外にもモデルファイルの保存もあるため、できれば512GB~1TBは欲しいところ。
CAD
用途 | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
2DCAD | intel Core i5 AMD Ryzen 5 |
内蔵グラフィックス | 8GB | SSD 256GB |
3DCAD | intel Core i7 AMD Ryzen 7 |
NVIDIA RTX NVIDIA T AMD FirePro |
32GB | SSD 512GB |
3DCADでは高いスペックが必要です。
グラフィックボードは「NVIDIA RTX」や「NVIDIA T」、「AMD FirePro」といった認定を受けている業務向けを選びましょう。
またメモリが不足してしまうと、動作の低下やアプリのクラッシュにつながります。
32GB以上のメモリにしておくと安心です。
CPU性能が低いと処理速度が遅くなってしまいます。
「Core i7」や「Ryzen 7」などを選ぶと作業が快適です。
ストレージは高速であるSSDがおすすめ。
3DCADでは扱うデータ量が大きいため、512GB以上にしましょう。
プログラミング
CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
intel Core i5 AMD Ryzen 5 |
内蔵グラフィックス | 16GB | SSD 256GB |
プログラミングでは、CPUやメモリが重要です。
特にCPU性能はプログラムの処理速度に大きく関わります。
「Core i5」や「Ryzen 5」以上を選ぶと快適です。
またメモリが不足してしまうと、動作が不安定になります。
メモリは16GB以上にしておくと複数ソフトを扱う場合も安心です。
ストレージは高速であるSSDがおすすめ。
アプリやデータベースの使用を考慮すると256GBは必要です。
グラフィックボード(GPU)は一般的には内蔵グラフィックスで十分となります。
ただしゲーム開発やAIを扱う場合は高性能なGPUが必要です。
音楽制作(DTM)
CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
intel Core i5 AMD Ryzen 5 |
内蔵グラフィックス | 16GB | SSD 500GB |
DTM(音楽制作ソフト)を使う作業では、CPUやメモリが重要になります。
CPU性能が低いと処理に時間がかかるため、「Core i5」や「Ryzen 5」などを選ぶと良いでしょう。
またメモリが不足してしまうと、動作が不安定になってしまいます。
メモリは16GB以上にしておくと複数ソフトを扱う場合も快適です。
ストレージは高速であるSSDがおすすめ。
音源やプラグインなどを考慮すると500GBは必要になります。
グラフィックボード(GPU)は音楽制作だけであれば内蔵グラフィックスで十分です。
まとめ
クリエイティブ作業では用途によって、必要なPCスペックが異なります。
クリエイターにとってPCは大事なパートナーです。
間違ったパソコン選びをしないように注意しましょう。
ぜひ参考にして、クリエイター生活を満喫してください。
以上最後までありがとうございました。