2023年10月24日に任天堂から発表されたゲーム大会のガイドライン。
多くの非公式大会があるため、主催者や参加者から注目が集まっています。
今回は、世界中にエンターテイメントを提供している、任天堂株式会社が公表した、「ゲーム大会における任天堂の著作物の利用に関するガイドライン」を徹底解説していきます。
- 賞金やイラストなどの賞品はもらえる?
- あの大会なくなる?
- 申請が必要な条件は?
といった疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
ガイドラインって何?
ガイドラインを守らないと、著作権侵害になります。
著作権侵害の罰則として、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金、又はその両方などが定められています。
第百十九条 著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(第三十条第一項(第百二条第一項において準用する場合を含む。第三項において同じ。)に定める私的使用の目的をもつて自ら著作物若しくは実演等の複製を行つた者、第百十三条第二項、第三項若しくは第六項から第八項までの規定により著作権、出版権若しくは著作隣接権(同項の規定による場合にあつては、同条第九項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第百二十条の二第五号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行つた者、第百十三条第十項の規定により著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者又は次項第三号若しくは第六号に掲げる者を除く。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
「ゲーム」は著作物であり、ゲーム大会の開催も著作物を利用することになります。
つまり、著作権者以外が好き勝手に扱うことはNGということです。
ただし、ルールを守ってくれればOKですよという方針が「ガイドライン」になっています。
ガイドラインを遵守すれば著作権侵害とはなりません。
知らなかったでは済まないため、大会主催者は注意が必要です。
任天堂のゲーム大会ガイドライン
ここではガイドラインの要点をわかりやすく解説します。
詳しく知りたい方は、公式ページより確認してください。
ゲーム大会の開催条件
大会は出場者の数によって、大きく2つに分かれます。
- 大規模な大会(オンラインで300人超、オフラインで200人超)
- 小規模な大会(オンラインで300人以下、オフラインで200人以下)
小規模大会で、下記2つに当てはまる場合はコミュニティ大会となり、ガイドラインの対象となります。
- 主催者が個人
- 営利を目的としない
つまり、「個人」で「非営利」な「小規模大会」はガイドラインを守れば開催可能です。
大規模な大会や、営利を目的とした場合などは、事前に申請が必要になっています。
任天堂の許諾を得ることができれば、開催OKです。
営利目的の範囲
基本的には、大会に関連して利益を得ることはできません。
以下のような、ガイドラインで認められたものはOKです。
- 成人の主催者が、オフラインのコミュニティ大会の出場者から、2000円以下の出場料を徴収する
- 成人の主催者が、オフラインのコミュニティ大会の観客から、1500円以下の観戦料を徴収する
- 出場者から事前に同意を得た場合、主催者は個人のアカウントを通じて、コミュニティ大会に関する動画や静止画等の投稿を収益化できる
特に注意したい点は下記の3点。
- オンラインの観客から料金を徴収してはいけない
- 出場料や観戦料は明示し、大会設営費用の総額を超えてはいけない
- 第三者から物やサービス、金銭等の提供を受けてはいけない
任天堂のゲームを利用して金儲けしないでくださいといった内容です。
どんな理由でも、営利目的の開催はNGとなっています。
Youtubeのチャンネル登録やSNSアカウントのフォローを参加・観覧条件とするのもダメです。
ゲームを楽しんだり、交流を深めるといった目的で開催しましょう。
プレイ映像や画像、イラストの使用
もちろん、オフラインのコミュニティ大会会場ではプレイ映像を上映可能。
発売日を迎えたゲームの映像やスクリーンショットを告知物に掲載できます。
ガイドラインを遵守すれば、大会動画の収益化もOKです。
ですが注意点として、ロゴやイラストの使用はできません。
下記の文面があります。
コミュニティ大会においてプレイされるゲーム名に言及する場合を除き、コミュニティ大会での活動や告知に際して、ロゴやキャラクターのイラスト等の任天堂の商標や知的財産を使用することはできません。
任天堂のゲームからキャプチャーした映像やスクリーンショットをコミュニティ大会の告知物に掲載する場合を除き、 任天堂のゲームのロゴやキャラクターイラスト、イメージイラスト、音楽や効果音等は、コミュニティ大会の告知や会場の装飾、会場のBGMにはご使用いただけません。
理由として考えられるのは、任天堂の公式大会や公式イラストだと認識させないためだったり、誰かの宣伝になったりと様々です。
特に「イラスト使いたい!」といった方は多いと思います。
ガイドラインだけでは不明瞭な部分もありますが、
ダメなことはダメ、わからないことはやらない
といった対応が安全です。
自分に都合の良い解釈をしないように注意しましょう。
また、他の人がやっているから
といった理由で判断することも危険です。
景品の制限
景品が目的で大会に参加する方も多くいます。
制限されましたが、大会景品は提供してOKです。
しかし、以下のものは景品として提供できません。
- 現金や金銭と同様の価値のあるもの
- 市場価格で税込み50万円を超えるもの
- 酒類やたばこ等
任天堂のイメージを損ねるものや、権利を侵害するものはNGですね。
また、出場料や観戦料を景品購入に充てることもできません。
下記のリストにあるようなものもNGとなるため確認しましょう。
- 違法、不適切または公序良俗に反する物やサービス
- 他人の権利を侵害する物やサービス
- 不当な差別や誤解を招くおそれのある物やサービス
- ギャンブルやスポーツ賭博、カジノ等の射幸性の高い物やサービス
- 暗号資産等の金融商品や情報商材に関する物やサービス
- 政治、宗教、思想・信条の広告・宣伝を伴う物やサービス
- 任天堂の商品またはサービスの正常な動作を妨げたり、安全性を損ねたりするおそれのある物やサービス
- 任天堂の事業に悪影響を及ぼす物やサービス
- 以上の物やサービスを販売または宣伝する者が提供する物やサービス
- 医薬品等の健康に影響を及ぼすおそれのある物やサービス
- 酒類、たばこ等の使用に年齢による制限が課される物やサービス
- コミュニティ大会で使用されるゲームのレーティングの対象年齢よりも高い年齢の方のための物やサービス
- 武器や武器を模した物
大会名称の制限
第三者の法人名、商品・サービス名などを入れることはできません。
また、任天堂の商標を使用することもできません。
省略・改変したものもNGです。
- エンジョイスプラカップ
- スマブラ杯
- おーいお茶リーグ
といったものは全部ダメですね。
多くの大会が、名称を変更する必要があるのではないでしょうか。
ネーミングセンスが問われます。
よくある質問
どんな大会がダメになった?
- 賞金アマギフ3,000円!
- お酒を飲みながら楽しもう!
- メンバーシップ限定!
といった大会はNGになりました。
引き続き大会を開催するには、
- 営利目的
- 権利の侵害
- 賭博や酒類・薬物
などといった点に注意し、内容や名称をガイドラインに沿ったものに変更すれば、引き続き大会を開催できるでしょう。
大会動画の配信や投稿は?
コミュニティ大会に関する動画や静止画等の投稿を収益化することができます。
ただし、下記のようなことが条件になっています。
- 必ず出場者から事前に同意を得る
- ネットワークサービスにおける任天堂の著作物の利用に関するガイドラインを確認する
- 収益の総額は、年間100万円未満にする
- 配信プラットフォームの広告を除いて、第三者の広告やロゴ等が写り込まないようにする
うっかりミスがありそうなのは、ロゴの映り込みですね。
かなり気を付けておかないとトラブルになりかねません。
イラストを賞品や告知に使える?
イラスト景品OKという文面はありません。
またキャプチャー映像やスクリーンショット以外は使用できません。
一度許してしまうと、無法地帯になることが予想されます。
そのため、今後もOKが出ることはないのではないでしょうか。
今のところは、勝手にイラストを扱わないようにした方が身のためでしょう。
任天堂の大会ガイドラインまとめ
最新のガイドラインをよく確認し、開催しましょう。
任天堂の対応は早く、すでに多くの大規模大会の申請が通っています。
ルールを守って楽しめる大会が、今後も多く開催されるといいですね。
以上最後までありがとうございました。